写真展開催にあたって

 アメリカに渡って、3年間の研修期間を終え、196013年ぶりに太平洋航路アルゼンチナ丸の上甲板から朝日に輝く富士山の頂きを見たとき“ああ日本に帰ってきた、やはり俺は日本人だ”と感情を昂ぶらせて仰いだ日の事を53年経った今でも鮮明に覚えています。
 その時は将来であっても富士山の傍で過ごすことになろうとは夢にも思ってはいませんでしたが、転職して東京に職を得て間もなく現在の山荘の土地をなんとなく購入していました。きっと、あの帰国時の感動と日本人の心のよりどころである富士の麓で暮らせたらどんなに倖せだろうと考えたからに違いありません。

 幸いにして無事にビジネスの世界をリタイアすることができて、17年前に山荘を作り、5月から10月の期間はほかに用事がない限り、この海抜1,200メートルの山小屋で過ごすことにしています。

 このたび、文化協会の村上会長のおはからいで“ふるさと甲佐”で愚作を展示いただけることになり大変光栄であります。

 1,200メートルの高地からの撮影と、「A3ノビ」というプリント形式のせいもあって、富士山が平たく見えてしまいますがそれだけ富士山の懐から撮った写真であることをご理解下さい。

 富士山は何処から見ても、ほぼ同じ姿を見せてくれます。世界にも類を見ない素晴らしい景観の山ですが、河口湖からの姿が最も優しい姿をしています。
 人もこの富士山のように振る舞えたらどんなに素晴らしいだろうと思うのは誰でも同じではないでしょうか。
 そこに信仰が生まれ、日本人の心の支柱となっており、世界文化遺産として認定されることは遅すぎるくらいだと思います。

 2013525日記        伊 藤 一 男

 

伊藤一男氏の略歴:甲佐町坂谷出身
 東京甲佐会初代会長 東京在住

 今回、甲佐町文化協会から富士山が世界文化遺産に登録される機会に、ふるさとで富士山の写真展を如何でしょうか?というコメントを頂き、願ってもない機会なので、早速自分の手で現像、プリントできる範囲であればということでお引き受けしました。
 約10年間の間に撮った富士山ですが、ほとんどの写真が再び巡り合うことはないであろうと思う瞬間を切り取ったショットです。いくら腕のいい写真家でもその瞬間に巡り合わなければ撮ることは叶いません。
 それらのショットを故郷の多くの皆様方に観て頂いたことは作者としてこんなに嬉しいことはありません。
 多くの方々から身に余るお褒めの言葉を頂き、その文章に込められた重さに感動を頂きました。尚、富士山に対する日本人の敬愛と誇りそして心のよりどころであることを改めて認識させていただきました。
 リタイア後、写真をスタートするとき、ファインダーを覗いたときの感動を切り取って多くの人々と共有したい・・とホームページ第1集の1ページに書きましたが、今回の写真展で見事に果たせた思いです。倖せを噛みしめています。

感想を書いていただいた中から勝手に選ばせていただき、下記に紹介させてもらいました。



原文のまま

千変万化する富士山を撮るだけでも大変なのに、その瞬間瞬間の良いところを切り取ったような写真を座して観ることはちょっと贅沢な感動です。この写真には作者の心が写し出されていると思いました。有難うございます。

20代の頃に河口湖によくまいりました。
3回忌(夫健一郎)を終え.遺影と共にみせてもらいました。存命ならば、オーッと言って観せて戴いたことと思います。すばらしいできばえですね。赤富士は溜息が出ます。
                      渡辺禎子 

素晴らしい鮮やかな富士山を拝見いたしました。富士山が大好きで度々訪れています。
赤富士は一度見てみたいです。数々の写真を拝見し心が和み豊かになりました。有難う。          橋本枝里香   

一生見ることの出来ない写真ばかりです。絶句です!

お友達からお話を聞いて早速観せていただきました。感動するばかりです。本当に日本には素晴らしいものがあるとつくずく思いました。これからもお身体大切に頑張ってください。

どれも良かったです。また見たいです。 LOVE伊藤さん。


私も80歳を超えました。家内ともどもガンバッテいます。富士山の何とも言えない写真に会わせていただき有難うございます。今後も1日1日大事に過ごします。


”富士山には月見草がよく似合う”といった文学者が居たが、きっと桜の季節を見過ごしていたのでは・写真はそれを証明しているのでは・・・いずれもチャンスを逃さずすばらしい。

兎に角素晴らしかったです。各方面から、各時間に写る富士山を初めて見せていただきました。甲佐町出身の方でこんなに立派な写真家がいらっしゃるのは町の誇りです。ありがとうございました。

甲乙つけられません。貴殿の富士山に対する愛情をひたすら感じるのみです。今後も素晴らしい写真を撮ってください。次回の作品展に期待いたします。感謝!!



矢張り富士山はどこから見ても、どの季節で見ても世界一素晴らしい山だということをこの写真展を観て再認識しました。

何百回となく通い詰められたのではないかと・・・ホントに美しい写真におどろき,いやされ、目を引き付ける力に圧倒されました。             
                  下横田 福永より子

君の写真展を拝見して感動しました。この歳になって老化現象で何もできなくなってきたけど、この写真展を見て感動し勇気をもらったよ。おれも頑張る。有難う!!                               池上三雄

私は一男さんの年賀状の写真があまりにも素晴らしいので、平成16年から今年のまで10枚を大切に保存しています。初めはプロの写真かと思いましたが、photo by kazuo と印刷されていて、今回写真展を観て納得するとともにそのすばらしさを再認識しました。
前景と富士山、雲と富士山、湖と富士山、朝夕の富士山を見れば見るほど素晴らしいと思います。
今回の紹介で写真について2年間勉強されたことも熊日新聞で知りましたが、素晴らしい作品には才能は勿論ですが、その陰にたゆまぬ努力があることもしりました。                                清村守

どれもこれも素晴らしい!田上君から大兄の写真展のことを聞いて観に行きました。一夜食事でもしたいですね。                            嶋田英剛

富士山 やっぱりいいですね!いろいろな富士の姿が見られて良かったです。
シャッターチャンスが大変だったと思います。素晴らしさに感動しました。

昨年8月に夫と富士登山をしました。富士山頂上で55歳の誕生日を迎えるためです。お蔭様で外国の方やら多くの方々に「ハッピーバスディ」を大合唱してもらいました。これから後半の人生を富士山に登頂したことを胸にどんな事にも耐えられる自分として歩いていきます。
素晴らしい写真を拝見し、父や母のような感情を持ちました。


霊峰富士山 先頃富士五湖を通った折り、残雪のお山がみえることを期待していましたが、残念にも雲に隠れてわずか山容を思わせるぐらいでした。
お写真の素晴らしさ、このシャッターチャンスを時間をかけて撮られたことでしょう。赤富士、逆さ富士、ちぎれ雲と大切な富士のお山有難うございます。          門田務                    
赤富士の写真は初めて見ました。すばらしいですね! 世界遺産に指定される一端を垣間見た気がしました。分けていただけるものなら有償で頂きたいものです。部屋に飾りたいです。                          村上

美しい富士山の写真を有難うございます。富士山の懐に住んだ時もあり、河口湖方面からの富士山に新たな感動を覚えました。世界のものになった富士山おめでとうございます。

上京する機会があっても車窓や飛行機の小窓から下にちょっと覗くだけ。
日本人の心の清さを象徴する富士、とくに赤心で征った人々への鎮魂とも思える赤富士に感動しました。


素晴らしい富士山感動しました。有難うございました。                  熊本県国際農友会 出田正明

世界文化遺産登録というタイミングもあり、この素晴らしい富士山を甲佐出身の方が撮られた素晴らしい写真の数々。楽しい時間を過ごすことが出来ました。
             熊本県国際農友会 吉本善勝

4ばんと2ばんがとてもきれいでよかったです。
                  7さい 跡部ろこ

素晴らしい写真を見せて頂きありがとうございました。富士山の全景をうっとりと見ました。春夏秋冬素晴らしい写真でした。ありがとうございました。

どれも素晴らしい富士山で感動します。しいて言うならば、14の冬支度は山肌が鮮明に出て迫力を感じます。                              有水盾夫


とても素晴らしい作品ばかりで感動しました。すがすがしい気分になりました。有難うございました。また機会がありましたら作品の展示をしていただけると幸いです。


伊藤さんのお名前だけは何時も拝見していましたけど、大きい写真でお顔を拝見するのは初めてです。素晴らしい処に住んで居られ悔いなき人生を送っておられるのは素晴らしいことと思いました。富士の写真は本当に素晴らしくため息きが出るほどです。これからも素晴らしい写真ができますよう祈っております。


素晴らしいの一言に尽きる。   御船町七滝 勝本神威


感動しました!こんなに富士山の写真をあらゆる季節で撮影されているのは初めて見ました。富士に3回行きましたが、3回ともきれいに富士山の全景を見て感動していましたが、この写真は別格に感動しました。





 この記録ページ編集が終わるころ、甲佐町文化協会より写真展に来て下さった方々の中で署名ご記帳を頂いた芳名帳を送って下さった。
 署名を下さった方だけでも200名を超え、遠くは東京をはじめ県外からの方や懐かしいお名前を発見して今更ながら今回の写真展に寄せて下さった皆様方のご厚情に深く感謝申し上げます。
 尚、上記に一部を抜粋して記載させていただきましたが、約70名の方々から心温まる感想文を頂戴いたしました。60の手習いから趣味で始めた写真でありますが、富士山という日本人にとっては特殊な被写体ではありますが、これほどまでに興味を示していただいたことにただただ感動している次第であります。心より感謝申し上げます。
   
                  
                 2013年8月10日                     伊 藤 一 男



伊藤一男「霊峰富士」写真展
世界文化遺産登録記念

これらの写真は写真の掲載が目的ではなく展示状況紹介の写真です。

7月2日付け熊本日日新聞記事

(一男 80歳)